あなたの「正しさ」は、 どこから来ているのでしょうか。

私たちは、理論、データ、現場経験、専門資格などを根拠に、自分の判断を「正しい」と考えます。 しかし、その正しさには、立場、経験、職業、時代による偏りが含まれています。 人類学的思考は、世界を見る前に、まず自分がどこから見ているのかを問い直します。

現場を知っている人が正しい 実際にその場にいた経験は、強い説得力を持ちます。 しかし、同じ現場でも、立場が違えば見えるものは変わります。

数字なら客観的だと思う データや指標は、公平で中立に見えます。 しかし、何を測り、何を除外するかという判断は、すでに誰かの視点によって決められています。

自分の色メガネに気づかない 年齢、職業、専門性、組織での立場は、私たちの見方を形づくります。 自分の視点を自覚しないままでは、他者の世界を正確に理解できません。

問題は、主観を完全に消せないことではありません。

自分の立場や偏りを自覚し、それが判断にどう影響しているのかを説明できないことです。 この講座では、「何が正しいか」だけでなく、「自分はなぜそれを正しいと思うのか」を観察します。

知識を、3つの人類学的レンズで読み直す

人類学的思考は、単に異文化について学ぶことではありません。 現場、交換、観察者という3つの視点から、私たちが何を「事実」とみなし、どのように意味づけているのかを問い直します。

現場を見る 「そこにいた」ことは、なぜ権威になるのか 人類学は、現場に入り込み、生活世界を観察するフィールドワークを通して発展してきました。 しかし、現場にいたという事実だけで、その語りが完全に正しいとは限りません。

人は、利益だけで動いているのか クラ交換や贈与交換は、経済活動が価格や効率だけではなく、名誉、関係、相互性によって動いていることを示します。

見る人自身も、観察の一部である 年齢、職業、価値観、立場は、何に注目し、何を見落とすかに影響します。 自己再帰性とは、自分の視点を消すことではなく、その影響を自覚し、説明できるようにすることです。

内省サーベイ|あなたの「知の正当性」を問い直す

動画で学んだフィールドワーク、経験的権威、自己再帰性を、自分自身の知的経験に引き寄せます。 正解を選ぶためのテストではありません。 自分が何を根拠に判断し、どのような「色メガネ」を通して世界を見ているのかを、3つの問いから確かめます。

1|何を根拠に「正しい」と考えるか あなたの知識や判断の正しさは、どこから来ていますか 選択肢例: 理論的な正しさを重視する 現場経験を重視する 理論と現場を同じ程度に重視する どちらにも完全には依拠しない

02|あなたにとって「現場」とは何か 現場経験として認めているものを書き出す 記述例: 顧客や利用者と接する仕事 組織の意思決定 専門家との対話 家族や地域での経験 日常生活の観察 長年繰り返してきた実務

03|自分の「色メガネ」を観察する あなたの立場は、何を見せ、何を見えなくしているか 考える要素: 年齢 職業 専門分野 役職 組織内での立場 過去の成功体験 価値観

自己再帰性とは、自分を責めることではありません。

自分の視点がどこから生まれ、何を見えやすくし、何を見えにくくしているのかを知るための、知的な点検作業です。

見る・問い直す・言葉にする

長い講義を受け続ける講座ではありません。 3本の短い動画で人類学的思考の基礎を学び、最後にサーベイを通して、自分の知識や判断の根拠を見つめ直します。

01|見る 約5分の動画を3本視聴します。 学ぶ内容: ・フィールドワークと経験的権威 ・クラ交換と贈与の関係性 ・自己再帰性と客観性の限界

02|問い直す 動画で得た視点を使い、自分が「正しい」と考えてきた知識や判断を振り返ります。 問い直す対象: ・現場経験への信頼 ・数字や理論への信頼 ・専門家としての立場 ・年齢や職業による見方

03|言葉にする Thinkificのサーベイに回答し、自分の「知の立ち位置」を整理します。 持ち帰るもの: ・判断の根拠 ・自分にとっての現場 ・自分の色メガネ ・見落としやすい視点

糸林誉史 文化人類学者/大学教授/国家資格キャリアコンサルタント 人文知のeスクール「リベラーツ」主宰

文化人類学者として、東南アジア、沖縄、染織産業、組織やテクノロジーをめぐる人とモノの関係を研究してきました。 人類学の強みは、遠い異文化について詳しくなることではありません。見慣れた職場や制度、自分自身の判断を、いったん見知らぬものとして観察し直せることです。 この講座では、受講者の経験を否定せず、理論と現場の間に立ちながら、「自分はどこから世界を見ているのか」を一緒に確認します。

01|答えより、問いを整える 知識を一方的に教えるのではなく、受講者自身の経験から問いを立ち上げます。

02|経験を絶対視しない 現場経験を尊重しながらも、それがどの立場から見えた経験なのかを問い直します。

03|主観を排除しない 完全な客観性を装うのではなく、自分の立場と偏りを説明できる知的誠実さを重視します。

Curriculum

    1. (Included in full purchase)
    2. (Included in full purchase)
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    3. (Included in full purchase)
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『人類学的思考の10の視点』 オリジナルテキスト

本講座は、リベラーツ叢書『人類学的思考の10の視点』の導入講座として構成されています。 書籍では、権力、階層、アイデンティティ、差別、グローバル化、AI、モノ、環境、記憶、贈与という10の視点から、複雑な現代社会を読み解きます。 この基礎講座では、その出発点となるフィールドワーク、クラ交換、自己再帰性を取り上げ、自分の「知り方」と「判断の立ち位置」を問い直します。

01|現代社会を10のレンズで読む 一つの理論だけで説明せず、権力、AI、記憶、贈与など複数の視点から社会を読み解きます。

02|理論を実務経験に接続する 抽象的な学説を、職場の評価制度、組織の階層、AIとの関係、日常の人間関係に引き寄せます。

03|自分自身も観察対象にする 社会や他者だけでなく、自分の立場、常識、判断の癖も「異文化」として観察します。

世界を見る前に、 自分がどこから見ているかを知る。

人類学的思考は、遠い異文化について学ぶためだけのものではありません。 現場経験、理論、データ、役職、専門性。 自分の判断を支えてきたものを、いったん立ち止まって観察するための思考法です。 約30分の講座で、フィールドワーク、クラ交換、自己再帰性を学び、自分の「知の立ち位置」を言葉にします。 約30分|動画3本|内省サーベイ付き クレジットカード登録不要